久しぶりの自主コンテスト作品感想です。
ネタバレも含みます。

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【作者名】貸しボート十三号
【レビュー】
ルクセリア法国で問題となっている「呪具」
それを回収するのが、聖痕の力を持つ聖騎士達。

聖騎士達の活躍を描いた物語で、章ごとに完結していくような形で進んでいきます。
エピソードはそれぞれまとまっていて、悲しいところもありつつ、しかし前向きな結末になっています。
色々とネタが仕込まれていてコミカルな雰囲気もありますね。

この作品はRPGの要素が面白いですね。
通常の経験値システムと違いプレイヤーが自由に振り分けられるので、戦略の幅も広い。
キャラクターへの愛着もわいてくると思います。
戦闘が楽しくなるようなシステムなので、非常に作り込まれたマップと合わせて探索が楽しかったですね。
どこででもアイテムの数を教えてくれるカッパがお気に入り。

と、そんな風に冒険を楽しんでいた矢先、雰囲気が一気に変わり、衝撃的な展開が待っていました。
上述のキャラへの愛着もあった分、これは結構ショックを受けましたね。
話の中間でこういう場面を持ってくるというのは大胆な作りで、これは驚かされました。

ただこの後のストーリー、生きてる人死んでる人、色んな思いがラストへと向かって行く、そんな展開が感動的で、とても好きでした。
たくさんのキャラクターが出てくるのですが、その描写がどれもかなり丁寧にされていたので、ラストにかけての盛り上がりも熱いものになっていたと思います。

長編RPGとしてはかなりのレベルのものだったのではないでしょうか。
システムの独創性もあり、ストーリー、マップ共に非常に作り込まれた素晴らしい作品でした。